PROJECT CONCEPT

住む+自分らしさ=豊かさ

もしも、私が私らしく日々を過ごせたら。
心が軽くなって、新しい感性が生まれるかもしれない。
仙台の街が、今以上に好きになるかもしれない。
自分らしい暮らしを叶えることで、モチベーションに変化が生まれ、心が満たされることで前向きな暮らしに繋がります。
私たちは「自分らしさ」のある暮らしをおくることが、豊かさへの近道だと考えています。
本プロジェクトは、多くの人に「自分らしい暮らしを手に入れ、豊かになって欲しい」という想いで立ち上げました。
住む+「   」に入る「らしさ」は多種多様。
本プロジェクトを通して、さまざまな「自分らしさ」と向き合い、豊かさを育むお手伝いをしたい。そんな想いから、
このプロジェクトを「Growing It Up」と名付けました。

PROJECT STORY

宮町二丁目ビルプロジェクト 〜自分らしさは商店街も変える〜

地方都市において、商店街の衰退に伴い使われていない店舗併用型住宅が多く存在します。
そこで今回は、商店街に建つ”店舗併用型住宅”に着目しました。このような建物の多くは、もともと住宅以外に店舗機能を兼ね備えていることから、「住む以外のプラスαの機能(=自分らしさ)」を容易に加える事ができる”多様な暮らしの受け皿”としてのポテンシャルがあると考えたためです。

この取り組みは、”店舗併用型住宅”+「 リノベーション」の可能性を最大化する取り組みです。商店街に建ち並ぶ建物であることから、住む+「稼ぐ」、住む+「貸す」、住む+「集う」、住む+「シェアする」、住む+「遊ぶ」など、住宅に加えた「自分らしさ」が商店街に滲み出ることで、その自分らしさに共感し、その「らしさ」を受け入れた人を巻き込んで、商店街には新しい可能性の風が吹きます。
個人の自分らしさを実現するだけでなく、商店街の活性化や地域コミュニティの形成に繋がる可能性を秘めている店舗併用型住宅のリノベーション。「個」だけでなく「集=商店街」のリノベーションストーリーです。

OVERVIEW

宮町二丁目ビルプロジェクトレポート
01

個性豊かな店舗が立ち並ぶ商店街通り沿いにある築44年の3階建てのビル。一度区画整理によって減築をしつつも、その商店街に建ち続けるこの建物は、以前店舗併用住居として使われていました。この先店舗付き住宅としての活用が見込める一方で、歴史を感じさせる昔ながらの美容院の姿を残した状態では、今後の活用ビションを持つことは容易ではなく、しばらくの間買い手が見つからない状況が続いていました。この状態は、商店街にとってもマイナスの要素になっているのは言うまでもありません。

以前までの美容室の姿のままでは、なかなかリノベーション後の暮らしを想像するのは難しいです。そのため、 住まい手が自分たちの未来を自由に描くことができる白いキャンバスのように、予め解体、スケルトンにした後にインスペクション・再塗装を済ませた状態でリノベ向き中古物件として販売を開始しました。

また、設計士の協力のもと、様々な活用例となる参考プランを作成、より簡単に安心して「リノベによって、住まいに自分らしさを加えるため」の道標を整えました。
加えて、スケルトンにする事で空間としての活用の幅が広がり、一部を地域のイベントスペースとして活用していただきました。これは商店街に立つ販売中物件の新しく正しい「在り方」ではないかと考えています。当社でも、商店街の方々をお招きして、その街の歴史を学び、こういった中古物件活用の可能性を語り合うイベントを開催させていただきました。これら一連の取り組みが、店舗併用型中古物件の可能性を最大化させるとともに、不動産会社による中古物件を用いた地域のコミュニティデザインの新しい形の一つではないでしょうか。
そして、この建物は新しい買い手が見つかり、新たな物語が動き出します。存分に自分らしさを加え、それが商店街の活性化につながることでしょう。

OVERVIEW

宮町二丁目ビルプロジェクトレポート
02

この物件を購入したのは仙台市に暮らすご夫妻でした。新居の購入を考えて市内の新築マンションをいくつか見学するも、なかなかピンと来ない。そんなときに出会ったのが、この物件でした。職場が近いのもさることながら「他にあまり見ないタイプの建物で、自分たち好みにデザインにできるのがいい。1階をテナントで貸せるというアイデアにも魅力を感じました」と話すご夫婦。スケルトンでインスペクション済みという安心感に加え、内装が白くて自分たちの暮らしをイメージしやすかったことも、背中を押したということでした。

この物件を購入したご夫婦が選んだのは、住む+「貸す」という選択肢でした。1階をテナントとして貸し出し、2、3階を住居にすることで、テナントから得る家賃収入によって資産づくりを目指します。これもまた、ひとつの「自分らしさ」。その人の「個性」であり、他者との比較や評価から決めるものではなく、自分の納得感や手応えによって決めるものです。この「自分らしさ」にとことん向き合って、「自分らしさ」を実現する手段としてリノベーションは最適な手段です。

1階のテナントには、建物のオーナーや商店街組合の思いに共感いただける方が現れ、美味しいコーヒー&ハンバーガーを提供するお店がオープンしました。
スケルトンの状態を見て、「無機質なイメージがアメリカンスタイルにぴったり」だと感じていただき、お店はその雰囲気に馴染むデザインに仕上がっています。
一人ひとりの「自分らしさ」が建物から商店街に、にじみ出て賑わいを生み出します。長く続くお店と、新しいお店が入り混じり、またこのお店がまちに人を呼び、新しい人と感性が交わり合って変化し続ける商店街へ。
店舗併用住宅のリノベーションこそが、お施主様やお店だけでなく、街に活気を生み出して豊かさへとつながっていくと信じて、これからもこのプロジェクトに取り組んでいきます。

企画:株式会社N’s Create.
設計デザイン:菊地悠介,城浩太郎(株式会社N’s Create.)
施工監理:川原正任(株式会社N’s Create.)

■協力会社(インスペクション)
株式会社ERIソリューション
■協力建築士(五十音順)
川上 謙(LIFE RECORD ARCHITECTS)
佐藤 充(SATO+)
菅原 麻衣子(She|design & research office)
■Special Collaboration
阿部 加奈子(イタリアン料理研究家)